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2005/01/22

自己再生能力を信じる

 PICに以下のような記事が出た。うちのサイトを読んでくれている人にはそれほど珍しい意見ではないが、ついに同社の人たちも私の感想と同様のことを語り出したことに、さすがに驚いた。

■Sony Out to Correct Mistakes?(PIC)

 珍しく全文和訳してみるが、相変わらず英語能力の低い私の訳なので、正確な意味を理解したい人は、自分で訳してみるべきだ。

【いい加減な和訳】「SONYは失敗を修正できない?」
 
 AP社の最近のインタビューに答えて、SONY社のビデオ部門のチーフは、同社が多くの分野でボートの舵取りに失敗しており、また、同社は臆病な同社経営陣のために行動を制約されていることを認めた。彼はさらに、同社は今、一般的な計画表に取りかかったり、それを履行することが不可能なんだと説明した。
 
 AP社が報じているところによると、SCE社のプレジデント・久夛良木健は、同社経営者がApple Computer社のiPodのような製品を発表することに乗り気でないことに、自分自身およびSONYに勤める他の社員たちは苛立っていると語った。同社の経営陣が乗り気でないおもな理由は、同社が音楽や映像の著作権を有しており、そのことが心配でならないからだ。
 
 現在、SONY社のそれぞれの部門はようやく、連携して働いたり、一般的な計画表を共有し始めていると、東京の外国人記者クラブで久夛良木は語った。
 
 「やあ、SONYの皆さん!」と(あなた達がまだこのサイトを読んでくれているなら、という前提だが、)かつて私がそう語った時、「あなた達が最初のミスを犯した時にそれを修正すべきだ」とか、「CLIEをもう一度日本以外の地域でも発売すべきだ」とか、私はたくさんのことをこのサイトに書いたと思うのだが…。

 記事中に出てくるAP社の記事とはこれだ。

参照●Sony Video Chief Admits Strategic Mistakes(AP)

 「SONY社のビデオ部門のチーフが同社の戦略的失策を認める」という、かなり衝撃的なタイトルのこの記事は、添付された久夛良木さんの写真からもわかるように、あの日本にあって日本にあらずメディア集団「日本外国人記者クラブ」においてなされたようなので、会社の意向を無視していきなり涙目になった某企業のチーフプロデューサのように会社を裏切った訳ではないと思う。真摯に失敗を認めることで、世界の理解を再び得ようという戦略だと思う。

 それにしても、権利問題はもちろん、社内の健全ではなくなっていた状況について、素直に認めたことは素晴らしいと思う。認めたということは、そこから再出発を切れるということも、多くの場合は意味するからだ。

 「ポップであり続けること」と「ポップなスノビズムの誘惑に負けること」とは決定的に違う。そう思う。それが最近のSONY経営陣(ちょっと古い人たち)に感じていた私の感想。

 がんばれ、SONY!

 …と、今はかなり冷めているものの、もともとファンだったものとして、私は素直にそう思う。


※さて、これからの新しいSONYを作る人は「この人」なのか?それとも?きっと、そういう綱引きも今は活発だろうと思うが、そのせいでまた無用な動脈硬化に陥らないことを私は切に願う。

2005-01-22 | Project Palm 直接リンク

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