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2004/10/16

メリーゴーランドの馬は永遠に追いつけない

 メリーゴーランドの馬は永遠に追いつけない。…と、なんだか、どっかの国に伝わることわざみたいに書いてみたけど、もちろんそんなことわざは存在しない。なぜなら、たった今作ったばかりだからだ。(本当に存在したら、そん時はごめん!)

■「携帯が腫瘍のリスクを高める」とスウェーデンの研究所(REUTERS/ITmedia)

携帯電話を10年以上使用すると、聴神経腫(聴神経にできる良性腫瘍)ができる危険性が高くなるとする調査報告書を、スウェーデンのKarolinska Instituteが10月13日に発表した。危険があるのはいつも携帯電話を当てる側の頭側面に限られ、携帯電話の使用歴が10年に満たない人は、危険性が高まっているという兆しは見られないと同機関は発表文で述べている。

 このニュースの複雑さは、記事タイトルだけからは読みとることが出来ない。というのも、たった今引用した記事概要のさらに数行下に以下のような文章が続くからだ。

「この調査が行われた当時は、10年以上使われていたのはアナログ携帯電話だけだったため、この結果がアナログ携帯電話に限られるのかどうか、デジタル(GSM)携帯電話の長期使用後にも同様の結果が見られるかどうかは判断できない」と発表文にはある。

 つまり!今回のREUTERS記事は、そのほぼ全体において、携帯電話の使用が人間の脳味噌にとって致命的によくないことを指摘しているのだが、ここに大きな注釈がついていることを絶対に忘れることは出来ない。そう、「ただし、それらはすべてアナログ携帯に関することで、現在の主流であるデジタル携帯については、まだ何とも言えない!」ということだ。

 なるほど!これなら、今すぐ携帯を耳元から離せ!という話にはならない。なぜなら、デジタル携帯が危険な証拠など、この地球上にはまだ存在しないからだ。

 たたし、ひとつだけ注意しておくべきことはある。携帯電話メーカーはこれまで、アナログ携帯についてもその害を認めたことはなかったように思う。主要国の役所まで含めてアナログ携帯について、安全だ安全だと言い続けてきただけは事実だ。もちろん、今回のREUTERS記事の研究結果は、「スウェーデンのとある研究所が実験したらそうなった」というだけなので、それが真実かどうかはまた別の話だ。

参照●電波の人体への悪影響は「実証されていない」が……(ITmedia)
  ●脳への携帯電波の影響ない〜総務省(ITmedia)
  ●携帯電話が脳細胞に及ぼす長期的影響は——シドニーの病院で調査開始(ITmedia)

 ところで、真上の記事、シドニーのセント・ビンセント病院で始まったテストってどうなったんだろう?テスト開始が2002年の1月11日だけど、ウェブでざっと探した限りでは結果が見つからない。この実験もまだ途中なのか?ところで、ここで試されてる携帯はアナログ?それともデジタル?…この調子だと、デジタル携帯に関するデータが揃った頃には、携帯は更なる進化を遂げているかもしれない。てゆーか、その可能性は大だ。だとすると、我々はこのまま、永遠に携帯電話の電磁波問題の結論を知ることが出来ないのかもしれない。う〜む。

2004-10-16 | Project Palm 直接リンク

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