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2004/11/15
パイの話とパイの中の話
正直言うと、井戸の中のオタマジャクシ同士の対決よりも、今は井戸の外のカエル同士の対決の方に興味ある。
■PDA用OSでWindowsがPalmから首位奪取(ITmedia)
世界のPDA出荷台数は約280万台で、Windows CEが占めるシェアは48.1%。Palm OSは29.8%と、1年前の46.9%から大きく下落して2位に転落した。3位はResearch In Motion(RIM)の19.8%、4位のLinuxは0.9%だった。
ついに来たか!…と思いつつ、その背景は、記事後半に出てくるGartnerアナリストのコメントのまさにその通りだ。
Palm OSの出荷減少は予想されていたが、これほどの規模になるとは思わなかった。同社はリソースの大部分をスマートフォン事業につぎ込んでおり、2005年はpalmOneが投入するPDAの数も減る見通しだ
手元にデータはないのだが、これまでの経緯から考えるに、米国PDA市場に限れば、まだPalmOSの天下じゃないだろうかと想像する。ちなみに、世界PDA市場におけるベンダー別のシェアでは、palmOneがシェアを落としつつも首位を守ったらしい。
ベンダー別の出荷台数ではpalmOneがシェア26.2%で首位を維持しているが、出荷は前年よりも13.3%減少。2位のHewlett-Packard(HP)が19.6%の出荷増でシェア24.2%、3位のRIMが356.5%増でシェア19.8%と追い上げている。Dellは出荷37.4%増、シェア6.5%で4位につけた。
ただし、このProject Palmでも何度か強調しているように、こうした数字に一喜一憂している場合では、もはやないッ!シェア云々以前に、市場そのものの後退現象を憂いなければ意味がない。ちょっと古い記事だが…
■携帯端末市場は好調か不調か——調査会社によって意見が分かれる理由(ITmedia)
米国の調査会社GartnerとIDCがそれぞれ発表した、第2四半期の携帯端末市場は評価が分かれているが、これはRIMの「BlackBerry」の分類による違いが現れたものだという。
さらに、もっと核心をついた文章が出てくる。
カテゴリの区分方法が調査会社によって違うため、投資家や業界ウォッチャーが、業界やプレイヤーの健全性を評価する際に、その判断を誤ってしまう可能性がある。例えば、PalmOneはどちらの調査結果をみても、携帯端末市場で最大のシェアを誇るとされているが、出荷台数はここ数四半期にわたり減少し続けている。それでも、株価から判断する限り、同社のビジネスは成功しているように思われる。携帯電話とスケジュール管理ソフトを統合したTreo 600の販売が追い風となって、同社の株価は先月ほぼ2倍に上昇した。(中略)このことからもPalmOneのビジネスは成功しているように思われるが、どちらの調査会社もTreo 600を調査対象にしていない。
そんな訳で、PDAでPalmOSが勝っただの、WindowsCEが勝っただのという争いは、かつてほど意味のあるゲームではなくなってしまったということだけは確かなようだ。だからと言って、大人気のTreoシリーズを擁したPalmOSやpalmOneが楽勝状態にあるなどとは言わない。それはそれでまた、別の巨大な敵たちとの対決をすでに始めているからだ。
2004-11-15 | Project Palm 直接リンク