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2004/10/05

愛される理由。

 NTTドコモの携帯電話が初めて他社からの脅威に怯え始めた時が、正確にいつ頃だったかは覚えていないが、それくらいのタイミングから始めた開発がようやく追いついた、ぐらいに思って置きたい。

 ここしばらく、NTTドコモ社はライバル社を凌駕する豊富な機能を搭載したマシンを次々と搭載したにもかかわらず、他社の後塵を拝することが多かった。その理由は、前サイトでも何度か書いたように、「世界標準」という熱病に取り憑かれた重病患者のような状態にあった。その結果、もっとも大切な、iモードで日本人の心を掴んだ時のような魅力を失った。ユーザの気持ちを思い計ることを忘れて、研究室にばかり籠もっていた。

 その流れにようやく変化が訪れたのはこの春に登場した「premini」あたりからだった。このマシンでNTTドコモは久しぶりにユーザの方をしっかりと向いた製品を作った。そして、その製品は大ヒットした。カメラ戦争で遅れたことを勘違いして、高画質カメラ戦争に踏み込んではみたものの、その正解は、ユーザによってはカメラさえも必要としない。まずは電話とiモード機能!そしてデザイン!それがもっともリアルなユーザの声のひとつだった。そんな世界観を受けて、ライバル社がこれまででもっともビビりそうなマシンが4機種も登場した。

■利用シーンに合わせて選べる4種類〜ムーバの新モデル(ITmedia)

ドコモが“利用シーンに合わせて選べる”ムーバ端末4機種を発表した。いずれも2004年度下半期に発売予定。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの「premini-S」プレミニ・エス)、三菱電機の「Music PORTER」(ミュージックポーター)、パナソニック モバイルコミュニケーションズの「prosolid」(プロソリッド)「Lechiffon」(ルシフォン)がラインアップされる。

 一言で説明するなら、順番に「超小型×可愛さ!」「流行の音楽プレイヤーを内蔵」「超薄型の折り畳み」「とにかく可愛い!」と言ったところか。このうち、形状的な的アドバンテージ(薄さ&小型)やデザイン性で圧倒的に勝る「premini-S」「prosolid」「Lechiffon」は、間違いなく売れるだろうと思う。「Lechiffon」のセンスが女子高生にそっぽを向かれない限りは間違いなく3機種とも売れるだろうと思う。

 ちょっぴり心配は「Music PORTER」かな。音楽のインストール作業がどれぐらい簡単に出来るのか?バッテリはどれぐらい持つのか?など、この種の機種の場合、越えるべき障壁がいくつかある。さて、どんなもんだろう?このあたりは、以下の記述が実際にどんな感じなのかに期待!

音楽を聴くために必要な付属品はすべて同梱したオールインワンパッケージで販売。

 ただし、この機種も、音楽機能以前にデザインが面白い。さらにかなりコンパクトだ。ちょっと皮肉な見方をすれば、もしも音楽機能が脆弱だったとしても、以下のようなちょっぴり微妙な機能との合わせ技で結構売れたりするかもしれない。

事前に登録した声でカメラのシャッターを切ることができる音声シャッター機能

 また、下記の機能も意外と捨てがたい。こーゆーのは技術者はともかく、ユーザが待ち望んだ機能のひとつだったりするからだ。

受信メールを見ながら返信メールを作成できる「見ながら返信」機能

 ま、とにかく、4機種の中では唯一ちょっとした不安も感じるが、逆に言えば、音楽機能さえユーザに優しく作られていれば、かなりイイ線行くだろうとも言える。

 あと、個人的には「prosolid」がイチオシ!重さ98グラムで、薄さ16.7mmの折り畳み形状ってのは、個人的に待ち望んだマシンだ。実は携帯電話にとって「ポケットを必要以上に膨らませない」ということも、とっても重要なことなのだ。理由は持ち運びやすいからではなく、不格好になりたくないから。しかも有機EL液晶なんだとか。とっても楽しみ!

 「premini-S」については、やっぱり「POBox」搭載が魅力。「Lechiffon」は、さっきも書いたけど、感想を私に訊くな!ターゲット女性層に直接訊いて欲しい。その答がそのままセールスに一致するはずだ。

 ま、どっちにしても、ここしばらく機種が並んでも、その中から1つを選ぶのが精一杯だったドコモの新機種が、とっても楽しくなったことだけでも私は大いに評価したいと思う。

2004-10-05 | Project Palm 直接リンク

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