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2005/08/10

Visionary

 palmfanの最新記事「Jeff Hawkins氏,最新インタビュー記事「Palmには3つのビジネスがある」=元記事(2005.08.10)は必読だ。

 彼が過去について語っているいくつかの事象については、今、そのビジネスが苦労しているから語っているのではなく、実際にかつて彼に話を聞いた時と同じ内容であることだけは強調しておきたい。彼のビジネスがしばしばフラついていることは事実だが、彼のビジョンはほとんどのケースでいつも定まっているということだけは、彼の名誉のためにも強調しておきたい。

 ところで、最後にpalmfanで「ちょっと感動しちゃったなあ」と書いてある、インタビュー最後の一節だけ、翻訳しておく。

インタビュアー:新しいアイデアをもとに、これから会社を作ろうという人たちに、何かアドバイスしたいことはありますか?

ジェフ:「自分自身が熱くなれる何か」が必要です。新しいビジネスを興せば、必ずそこにはいくつかの問題が発生します。そんな時に必要なのが「情熱」です。例えば私の場合、自分の会社を売らなければならないケースに、二度遭遇しました。そんな時は、自分のやっていることに情熱を持てるかどうかが重要なのです。さもなければ、目の前の苦難を乗り切るために必死こいて踏ん張ることが出来ません。あなたの会社が傾いているように見える時、あなたはそこで働く人間たちすべてのモチベーションをどうやって維持しますか?だから、(新しいアイデアをもとに会社を興すならまず)「自分自身が熱くなれる何か」を見つけなさい。そしてその何かの命じるままに行動しなさい。くれぐれも銭勘定だけに没頭したらダメです。

 Visionary(夢想家)でありながら「銭勘定」そのものがダメだとは言わないところがJeffらしい。没頭しちゃダメだよ、としか言っていない。そして、自分の会社を二度売ることになった葛藤が彼の中で大きな人格形成の材料になっていることがわかる。正確に言えば、彼は自分のビジョンを現実化するために二度ほど自分の会社を売却(一度目は初代PILOTを販売するためにPalm Coputingという会社をU.S.Robotticsという会社に売った。二度目はTreo600を販売するためにHandspringという会社をpalmOneという会社に売った。)しているが、さらに、自らのビジョンを守るために一度だけ自分の会社を飛び出している。これについては、多くの点で事後処理を間違えたと彼自身が認めている。辞めざるを得なかった当時の事情については肯定したまま。

 さて、良くも悪くも目の前のビジネスよりも、その先にあるビジョンとその現実化に興味を持ち続ける男、Jeff Hawkinsの未来からは、相変わらず目が離せない。

2005-08-10 | Project Palm 直接リンク

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