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2004/12/03

日付は特定していない!

 パームボンチ・メロウナンタラが、最近まためっぽう面白い。…てな記事を書こうと思っていたら、私のメールボックスに以下のようなメールが届いた。ちょっと愕然とした!

【重要:必ずお読みください】
Live365日本語サービス近日開始のお知らせ

 
■■■■■(私のID)様
 
いつもLive365をご利用いただきありがとうございます。
 
さて、Live365では、日本からのリスナーの急増を受けまして、近日中に日本語サービスを開始いたします。現在、英語サイトのレギュラー会員であるあなた様には、ぜひ、Live365日本語サービスをお楽しみいただきたくご案内いたします。
ただし、著作権上の規制により、今後、Live365をお楽しみいただくには、日本語サイトで「VIP会員」(有料)に登録していただく必要があります。
 
-有料化についての理由-
 
Live365が設定する料金は、コンテンツ(楽曲)にかかわる著作権料と著作隣接権料、および配信にかかわる帯域使用料、さらにこのサービスを提供していくための様々な運営費用、つまり、設備や人件費等の直接・間接費用の合計を、リスナーの皆様に公平に分担していただく、というものです。
 
Live365は、ブロードキャスターが制作した音楽番組をリスナーがインターネットを介して聴取する仕組みを提供していますが、番組を構成する楽曲は、作曲家、作詞家、演奏者、原盤製作者を含む多数の方々の知的制作物であり、その努力の対価として一定の報酬を要求する権利は法律が定めるところのものです。Live365は、この対価を配分する機構、ASCAPやBMIなどを通じて、リスナーからいただく料金(会費)を正しく著作権所有者に還元しています。
 
インターネットを通じて番組を配信するとき、帯域使用料という費用が付随して発生します。また、mp3PROなどの技術や、その他のソフトウェアの使用にかかわるライセンス料等の負担もあり、これらについても権利所有者に対して支払うことが法的に義務付けられています。
 
世界中の音楽ファンの皆様に、お好きな音楽を思う存分楽しんでいただくことが、私たちにとって何よりも大きな喜びです。しかし、同時に、前述の著作権料や帯域使用料をはじめ、このサービスを維持し、充実させていくために必要な費用もまかなわなければなりません。リスナーからの会費はこのコストに充当させていただくものです。1ヵ月5ドル95セントの料金で、24時間ノンストップでお気に入りの音楽を、世界中の15,000を越える放送局の中から自由に選んで聴くことができます。この料金は全世界同じです。
 
Live365の日本語サイトにおいて現時点で提供できるリスニングサービスは、母体となる英語サイトとほぼ同等ですが、今後は日本のリスナー向けのオリジナル・コンテンツも積極的に制作して行く予定です。
 
あなた様にはご不便をおかけいたしますが、Live365日本語サービス正式スタートの際には改めてご連絡申し上げます。どうかVIP会員にご登録の上、引き続き世界最大のインターネットラジオ・ネットワークLive365を末永くご利用くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
 
Live365日本語サービス

 うん、著作権を守りましょう、というのはよくわかる。そこにはまったく問題がないと思う。問題なのは、送信者だけじゃなく受信者からもお金を取ろうとしているところ点だ。このスタイルが、ネットとは言え、「ラジオ」という名前のついたメディアには似合わないビジネススタイルだと思う。もちろん、同じビジネススタイルでも自動的にCMを入れますよ、というのならわかる。それなら話は簡単だ。

 今度は、別のスタンスから発言してみよう。たとえば、もしも私が「Live365日本語サイトの運営者」の友人だったとして、どんなアドバイスをするのか?

 「世の中には酔狂で高いお金を払ってでもラジオ放送局を開いてみたい」と思っている人はいるだろう。だが、「世の中には酔狂で高いお金を払ってでもラジオ放送局を聴いてみたい」と思っている人は少ない。皆無とは言わないが、非常に少ないだろう。ビジネススタイルとして破綻していると思うが、それでも君はわずかばかりの小銭を稼ぎたいと思うのか?…と。

 そんなことよりも、「運営者側がCMをとってきて、規模に応じて番組内にCMを入れなければならない」とか、そうした、運営者側なりには大変だが、ちゃんとユーザもついてきそうな将来性のあるビジネススタイルで運営しないと、これまでのように、多くの場合、「素人が地道にやって成功を収めているネットラジオ社会」を使って成功を収めることは出来ない。

 かつて、当時人気のあったあらゆる種類のネットサイトを自動的に有料化して、スケベ系以外のほとんどすべてで失敗した初期インターネットビジネスの失敗を繰り返しているように見える。あなた(Live365日本語サイトの運営者)は、そうした計算をちゃんとした上で、このビジネスを興そうとしているんだろうか?もう一度冷静になって考えて欲しい。

 もちろん、Live365がもともと「素人が地道にやって成功を収めているネットラジオ社会」ではなく、「これまでなら地域ラジオとして運営されてきたレベルの小型ラジオ局」をターゲットとして運営を考えているなら話は別だ。そんなレベルのラジオ局の現場をあなた(Live365日本語サイトの運営者)は知っているだろうか?聴衆料金なんか取ったら誰も聴いてくれない!それが現実だ。地域FM局の現場を一度でもいいから覗いてご覧よ。彼らがダメだ、とは言わない。彼らは素晴らしい魅力的なプログラムを提供し続けている。だが、それに対して、具体的に対価を払おうとする人間は限られている。それが現実だ。さて、残る方法がひとつだけある。それは、あなたが「毎月600円払ってでも聴きたくなる魅力的なプログラム」をすでに用意している場合だ。

 正直に言う。毎月600円払ってでも聴きたいコンテンツって、かなり厳しいよ!実際にあなた(Live365日本語サイトの運営者)自身、どんなプログラムだったら毎月600円払うのか?だって、毎月600円って言ったら、一年で7200円だよ。7200円って言ったら、それなりにまあまあのフレンチのコース料理が食べられる値段だよ。そして、それほどに魅力的な、つまり、一年で7200円払っても構わないと思えるプログラムは、あなたが今始めようとしている「Live365日本語サイト」の中にどれぐらい存在しますか?

 もちろん、ちんさんが運営する「エアボンチ」は抜群に面白いネットラジオ局だが、かと言って、毎月600円、一年で7200円払ってもいいコンテンツかと言われたら、私にとっては正直微妙だ。もうちょっと少なければアレだけど、年に7200円はちょっと高いと思う。これは、「エアボンチ」批判でもなんでもない。正直に言っている。実際、テレビ局の番組に対して私は、CMという間接的な方法で代金を払っているが、具体的にお金を払ってまで聴きたいと思うテレビ番組は皆無に近い。毎月300円(年間3600円)払ってでも見たい番組となると、5〜10番組あるかないか。それらはすべて毎回数千万円、月換算なら億近い制作費をかけた番組だ。お金がすべてとは言わないが、ビジネスの話なんだからお金で考えた方が早いよね?

 果たして、あなた(Live365日本語サイトの運営者)はどこまで考えた上の行動なんだろうか?


※実を言うと、私はネットラジオについてはあまり詳しくない。そんな視点から書いているので、文中には誤謬も含まれているかもしれない。その点はご容赦を!

2004-12-03 | Project Palm 直接リンク

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