2004/09/12
橘比奈乃論〜橘翠子と橘比奈乃は姉妹なのか?
今度は「橘比奈乃」と来たもんだ!
正直、判断に苦しんでいる。というのも、先日ネット界を湧かせた「橘翠子」と非常に似た手口のメールが私のメールボックスに届いたのだ。
ただし、微妙なところが違っている。例えば、「橘翠子」の場合、差出人と宛先が一致していたのだが、「橘比奈乃」の場合は差出人と宛先が違っていて、替わりに返信先が宛先に一致している。そして、「橘比奈乃」の宛先には、かつて私が運営していたサイト「パーム航空」時代の外国人向けメールアドレスが書かれていたが、スパム防止のために一部伏せ字にさせて貰った。また、他にも「橘比奈乃」からのメールには本文の最後に署名がなかったりと、「橘翠子」のメールとの間には微妙な差がある。
題 名:初めまして
差出人:junpakuno_kokoro@■■■■■.co.jp
日 付:2004年9月11日 22:58:22:JST
宛 先:ninja@palm.■■■
返信先:junpakuno_kokoro@■■■■■.co.jp
初めまして、橘比奈乃といいます。突然ですが聞いてほしいんです。今は主人と2人での生活ですが主人の私への愛情がないのでしょうか。まともなSEXはここ3年ほどしてません、レスまでいきませんがあるとしても脱いでさっさと自分だけして終わってしまうんです…。こんな切なくて虚しい気持ちがここ何年にもなるんです、素直に言います。私とSEXしてもらえませんか?そちらにも事情があると思うんで割り切り、秘密厳守でも構いません!お逢いする時は、日常を忘れて満足できる快楽で気持ちよくなれるSEXがしたいんです…。少し自己紹介します、29歳160センチ、48キロの色白な感じです。今は専業主婦なんで時間などは都合つきます。あなたの希望なども尊重した上でお会いしたいんで言って頂ければ…この切実な気持ち理解していただけた上でお返事がくるの待ってます。
こうして読んでみると、文体的にも違う。
「橘翠子」は意味不明なほどに「契約」にこだわっていた。メール本文の大部分が「契約」に関することだった。一方、「橘比奈乃」は契約よりも「吐露」に固執している。替わりに、契約部分は実にあっさりしていて、「そちらにも事情があると思うんで割り切り、秘密厳守でも構いません!」という不思議な文章だけで終わっており、契約に関わるべき重要な要素(代価、回数、期間など)の多くがかなり欠落している。
また、不思議な言い回しも気になる。「セックスレス」を「レス」と呼ぶ。略しすぎだろ、と思う。それとも、こーゆー略し方が世間では流行っているのか?また、「割り切り」という言葉の使い方も特徴的だ。「橘翠子」から「割り切った関係」という言葉を本歌取りしながらも、かなり奇妙な用法で使っている。「日常を忘れて満足できる快楽で気持ちよくなれるSEX」という表現も独自だ、正直、かなりくどい。
そして何よりも気になるのは後半部分だ。いきなり自己紹介を始める。「少し自己紹介します、」以降の文章はかなり不思議な転調だ。中でも、「します、」の後の「、」が中でも興味深い。この「、」は文法の「、」ではなくて、まさに息づかいの「、」だ。そんな息づかいで、あまりにも前のめりに自己紹介をしている。また、「48キロの色白な感じです」という表現も面白い。この表現では、自分のことを「色白な感じです」と、あまりにも冷静に突き放している。まるで自分のことではないかのように。あるいは、「色白」だろうが48キロだろうが、どうでもいいことであるかのように。
さらに気になるワードが続く。「今は専業主婦なんで」…この言葉の意味は深い。今は専業主婦だが、かつては専業主婦ではなく時間が自由にならない「何らかの職業」に就いていたという事実を、彼女はことさら強調している。なぜ、職業婦人であったことに誇りがあったのか?それほどのプライドを持てる職業に就いていたのに、今ではこんな人生を送っているという後悔の念を他者に強調したいのか?このあたりの心理が不明だ。
でもって、本文の最後には「あなたの希望なども尊重した上でお会いしたいんで言って頂ければ…この切実な気持ち理解していただけた上でお返事がくるの待ってます。」という、もっとも不思議な文章が登場する。冒頭にも書いたように、「橘比奈乃」は「契約」に興味がないらしく、また、このメールの受取人である「あなた」にも興味がないらしく、「あなたの希望」を「尊重する」と言った直後に「言って頂ければ」その後にどうしてくれるのか?というもっとも重要な内容についての表現を省略してしまう。
どうやら「橘比奈乃」は「あなた」や「あなたの希望」にあまり興味がないらしい。替わりに、どんなことに興味を持っているのかというと…「(自分の)気持ちを理解してくれること」と「(あなたからの)返事がくること」にだけ興味を持っているようだ。最後まで自分中心の「橘比奈乃」だ。「脱いでさっさと自分だけして終わってしまう」旦那とはいい勝負だと思うのだが、どうだろう?
参照●橘翠子との割り切った関係(ProjectPalm)
●橘翠子の秘密(ProjectPalm)
ただし、ぶっちゃけたことを言うと、このメール、「橘翠子」の二代目スパムの可能性は高いが、同時に、「橘翠子」を意識した愉快犯という可能性も捨てきれない。真相は不明。ただし、メールアドレスは「橘翠子」の系譜にある。
純白の心(junpakuno_kokoro)
でもって、文体から推測されるキャラクターだけから考えるに、「橘比奈乃」は「橘翠子」よりも、この人達の影響下にあるようにも見える。
2004-09-12 | Project Palm 直接リンク