« あけまして、三井環2005! | メイン | ヨン様と皇帝と将軍様とあなた。 »

2005/01/05

クリクラ!の想ひ出

 まずはお疲れ様でした!…もちろん、先ごろ終了したばかりのサイト、クリクラ!に、まっさきに贈りたい言葉がそれだった

 クリクラ!がそんじょそこらのサイトともっとも違った点のひとつは、情報系サイトとしてもトップクラスの更新量を維持しながら、と同時に、ファンサイトの世界でもっとも手間がかかる作業だと言われているFAQを含んだ掲示板を長らくずっと続けてきたことにある。

 私の経験から推し量るに、あれだけの量の掲示板を、あれだけの期間に渡って維持し続けてきた彼のストレス量は、驚異的な量であったろうと想像できる。たとえば想像して欲しい。それなりに更新量のある2ちゃんねるスレッドのひとつを一年間健全に維持するために必要な人格の容量を!しかも、彼は常時、複数のスレッドを可能な限り健全に維持してきた。それは、常人ならざる作業だと思われる。

 実際のところ、クリクラ!主宰のSPAさんも時には、あまりに困難なトラブルにぶつかったために、何度か掲示板の管理を放棄しかけたことがあった。そのたびに私は心の中で「SPAさん、お疲れ様!」と唱えていた。さらには「これでいいのだ」とさえ思っていた。「SPAさんの苦行がついに終わったことは正解なのだ」と、つくづく思っていた。ところが、その十数時間後、冷静に戻ったSPAさんは再び掲示板の管理を再スタートしていた。

 そのたびに私は「なぜだ?!」と心の中で叫びつつ、SPAさんの驚異的人格量に驚いていた。もしかしたら彼はもの凄いマゾ体質なのかもしれない思ったりしたこともあった。だが、現実に会った彼からそのような体質を感じ取ることは出来なかった。少なくとも彼は、人格者にしばしば見られる穏やかな性格というよりは、熱い情熱を持った知的な活動家のようなキャラクターだった。

 一方で彼は、明るいステージをいつも裏側から支え続けてきた。具体的にも、そして、比喩的にも!彼は誰よりも、他人の笑顔が好きだったようで、いつも計算された日陰の位置からステージを見守った。その優しい瞳で。いや、きっと時には、その本性とも言うべき荒々しさで大暴れしそうになったこともあるだろうに、多くの場合彼は、穏やかな笑顔で目の前の事件を温かく見守り、見事にそれを正しい方向へと導いてきた。

 そんなSPAさんが、クリクラ!を閉鎖して、今年から新サイトを立ち上げるという。最近の彼のサイト上の葛藤を見てきた者としては、それほどの違和感は感じない。彼は彼なりの方向で、SONYやCLIEを見つめ続けていくのだろうと想像する。例によって、そんな彼の行動を応援したい。…と言いつつ、気づいたらいつの間にか、彼の穏やかな優しい笑顔によって逆に応援されている可能性だって捨てきれない。最後にひとこと。新サイト、ぜひとも頑張ってください!

 そして、SPAさんのような熱心なエバンジェリストたちの献身的な活動を目のあたりにしながら、SONYという会社はどんな答えを彼らに返してあげることが出来るのだろう?とも思う。たぶん、SPAさんがサイト運営について少なからず悩んだであろう背景として、SONYそのものが今、大きな過渡期にいる。人が変わって傾いたというより、人はほとんど変わっていない。方向性もそれほど変わっていないはずなのに、時代だけが変わってしまった。さらに言うならライバルたちも変わってしまった。なのにSONYだけがまだ変わっていないように見える。

 私から見ると、「革新という名の動脈硬化の罠」に落ちかけたところから、今まさに脱出しかけているように見える。SPAさん以上に、SPAさんたちのためにも、頑張れ、SONY!


※大変遅くなったけど、どうしても書きたかったので!

※個人的な思い出としては、クリクラ!から生まれたソフトウェア「Mac USB Driver for CLIE」に、「CLINGO」という愛称をつけさせてもらえたことがとっても嬉しかった!もちろん、CLINGOとはCLIE(クリエ)とRINGO(林檎=Apple)という二つの言葉の合体。LとRが入り混じっちゃってるのはご愛嬌ということで!

2005-01-05 | Project Palm 直接リンク

コメント