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2004/09/20

癒しの法則

 欲張ってないことで未来が開けることもある。

■癒し効果は世界一? アザラシ型ロボット、リース開始(asahi.com)

産業技術総合研究所(茨城県つくば市)が、ペット動物ロボット「パロ」を高齢者施設などに有料で貸し出す。敬老の日の20日から受け付ける。タテゴトアザラシの赤ちゃんがモデル。声をかけたり、体をなでたりすると、目や足を動かしたり鳴いたりする。

 さて、このパロちゃん、どんな奴なんだろうか?…貸し出しをする産業技術総合研究所のサイトを見てみると、実際にお年寄り達に囲まれたパロちゃんの動画を見ることが出来る。

■世界一の癒し効果、アザラシ型ロボット「パロ」、いよいよ実用化(産業技術総合研究所)

 それを見る限り、なかなかイイ感じかも、と思う。何が?…私の思った感想は以下の通り。

●機能が欲張っていない。簡単に動いたり、たまに鳴き声を出す程度、と思われる。
●ビジュアル的にも欲張っていない。

 リリースを読むと、他にも学習機能があったりするようだが、この欲張ってない感じが以外とイイかも、と思った。理由は簡単だ。欲張っていないおかげで、このパロちゃんは「ロボット」というよりも完全に「ぬいぐるみ」に見える。まあまあそれなりに可愛いぬいぐるみが、たまに動いたり、たまに声を出したりしているように見える。これが、欲張りすぎていろんな機能をつけすぎたり、ビジュアル的に斬新なものにしすぎると、話題にはなるだろうが、生活に溶けこむための障害が大きすぎるだろう。また、「ドキドキワクワク」はするだろうが、「癒し」にも適さないだろう。

 その点、上記ページの動画ファイルで見たパロちゃんは、本当に欲張っていない。とくに目的が高齢者の癒しにあるなら、こうした欲張りのなさはかなり効果的なんじゃないだろうか、と思う。ま、以上は小さな動画ファイルを眺めただけの感想なので、実際に間近で見たりした上での冷静な感想じゃないことだけは断っておく。

 上記、産業技術総合研究所のページには、スペック表(第8世代新型パロ)も出ているのだが、そこには行動生成として以下の情報が書かれている。

様々な刺激に対する反応、朝・昼・夜のリズム、気分にあたる内部状態の3つの要素から、生き物らしい行動を生成。新しい名前を学習したり、なでられると気持ちが良いという価値観から、なでられた行動が出やすくなる学習をおこなったりし、飼い主の好みに近づいていく。

 やっぱり、ちっとも欲張ってない!

 あと、個人的に気に入ったのは、asahi.comで見つけた写真。

■画像:アザラシ型ロボット・パロ(asahi.com)

 口に電源ケーブルをくわえた姿が授乳中みたいで、すげえ可愛い!このアイデアは、理屈抜きにとってもイイかも!ようく写真を見ると、授乳中はちゃんと目を閉じてくれているようにも見える!可愛いじゃねえかよ!思わず、用もないのに授乳とかしちゃいそうだ。上記のスペック表にも「おしゃぶり型充電器」という表記が!ちくしょう、めちゃくちゃ可愛いじゃねえか!

 …とかなんとか書きながら、これからの時代、自分も年取って身寄りとかいなくなったら、あるいは、身寄りはいても相手して貰えなくなったら、こうしたパロちゃんなんかに日々相手をして貰うんだろうか?…なんて考えたらちょっと淋しくなった。


※asahi.comの記事にもあったけど、さすがにギネスはどうだろう?と思う。

癒(いや)し効果の評判を聞いた英ギネスブックが「世界最高」と認定したが、ライバルがあまりいないだけに開発者も「どうやって順番を付けたんでしょうね?」。

※そして、パルマガ以来の読者の皆さんなら覚えているかもしれないが、このパロちゃんの貸し出し元である産業技術総合研究所と言えば、私は、POBox生みの親である増井俊之さん(←凄い写真!精子になっちゃった?【註】顔写真はリロードするたびに変化するらしいので、私が「凄い!」と思った山崎邦正風の写真は数回リロードしてみないと出てこないかも!)のことを思い出す。お元気だろうか?

参照●[3412] 新しいスタート(パルマガ)

【訂正】その後に見つけた各種記事より

参照●産総研、「癒やしロボ」のアザラシ型ロボで新会社(NIKKEI NET)2004.09.17

経済産業省系の独立行政法人、産業技術総合研究所は17日、ギネスブックで「癒やしロボ」として異例の認定を受けたアザラシ型ロボット「パロ」の製造・販売を手がけるベンチャー企業を設立したと発表した。当面は高齢者福祉施設などにリースし、来春から個人向けにも1台30万円程度で販売する。

 個人向けに30万円で販売の予定!(2005年春から)

お年寄りに使ってもらったところ「会話が増えたりストレスが減ったりする効果がみられた」(産総研)ため、同日付で設立したベンチャー、知能システム(富山県城端町、大川丈男社長)が福祉施設向けに有料で貸し出す。リース料金は月1万2000円(3年契約)で、20日から注文を受け付ける。今年度末までに900台の貸し出しを予定。個人向け販売も同社が来春に始める。

 福祉施設向けの貸し出しでは、3年契約で1万2000円とか。

  ●ギネス級の癒しアザラシ「パロ」、リース開始(ITmedia)2004.09.17
  ●“ロボット研究所”が成果を公開——産総研「オープンハウス2002」(ITmedia)2002.12.10

2004-09-20 | Project Palm 直接リンク

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