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2004/09/11

夢見るスパム

 スパムは、まるで重力のようだ。

■大きな効果あり、スパムメールとポップアップ広告(Wired)

通販ビジネスでは、カタログを受け取った人の2%が実際に何かを購入してくれれば成功といえる。一方、たとえばメール広告業者が20ドルの商品を売ろうとして100万通のメールを送信した場合、そのうちのわずか0.1%が購入してくれれば、売上は2万ドルとなる。

 なるほど、スパム業者は減らないはずだ。

米アメリカ・オンライン(AOL)社は、1日当たり10億通以上のスパム・メッセージをブロックしている。

 確かに、最近はプロバイダレベルやメーラーレベルなど、様々なレベルで、スパムをブロックしてくれるようになった。ということは逆に、すべてのスパムが何の抵抗もなしに押し寄せてきたら、どれほど凄いことになるんだろう?考えただけでもゾッとする。

2004年前半に送信されたすべての電子メールのうち60%以上がスパムだった。3年前は、この数字はわずか8%だった。

 確かにこれぐらいかも!

 …なんてスパムの現実をリアルに描いた上記のような記事もあれば、そんなスパムの現実を嘲笑いすぎて顎が外れちゃいそうな、以下のような記事も見つけた。

■米Symantec、「スパムはあと2、3年でなくなる」(CNET)

シマンテックのスパム対策は主に3つ。ネットワーク、SMTPサーバ、ユーザーのメールボックスにおけるフィルタリングだ。シマンテックは7月にスパムメールをルータでブロックする技術をもつTurnTideを買収している。「週200万通のスパムメールを受け取っていた我々の顧客が、TurnTideを導入した後は95万通に半減した」(セーラム氏)。スパムメールが届かなくなることで業者の収益が減り、業者自体が減ることでスパムメールもなくなっていくだろうとセーラム氏は予測する。

 あはは。笑っちゃ悪いが、上記の理論には不思議なレトリックが使われている。つまり、シマンテックはこれからの2〜3年間で飛躍的な技術革新を果たし、その結果、スパム撲滅率を飛躍的に向上させる。しかし、対するスパム業者は今後2〜3年、シマンテック社の飛躍的な撲滅策にやられるがままで、技術革新を一切行わないということになる。なんて楽観的な観測!

 ひとつだけお願いがある。シマンテック社の重役の一人が、上記のように考えることは自由だ。だが、それをメールに書いて我が家に送ることだけは避けて欲しい。そのメールこそが我々にとってのスパムになる。

2004-09-11 | Project Palm 直接リンク

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