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2005/03/06

辛口の応援歌

 ソニ☆モバで、以下の記事を見つけた。これまで、パルマガでたびたび主張してきたSONY論に近くて、非常に納得した。

■Appleにあって,ソニーに足りないもの(Tech-On!)

私がApple社の人間から「User Experience」という言葉を初めて聴いたのは,10年以上も前のことである。(中略)「ユーザーに使いやすい製品を作る」とは,今ではどこのメーカーも主張する決まり文句だ。それでも,「使いやすさ」といえば未だにApple社の名が上がるのは何故だろう。原因の一つは,ユーザーの視点よりも他の要素を優先してしまう企業が多いことではないか。

 正直、この記事で褒められているApple社だって、今のカリスマ(Steve Jobs)の鼻がへし折れた時代(80年代前半)や、今のカリスマが放逐されて不在になっていた時代(80年代後半〜90年代末)は、見事なほど「User Experience」を忘れていた。その結果、革新的な技術だけを世に垂れ流しつつ企業成績は悲惨なほどに没落していった。そこにカリスマが帰ってきて(1997年〜)、iMacやiPodと言った「User Experience」を貫いた製品ラインを再構成したことで、近年のApple社は再び健全企業へと復活した。

ただし,ソニーとApple社には決定的な違いがある。経営陣によるトップダウンのアプローチがないことだ。ソニーが,ユーザーに負担を強いてまで自社のファイル形式に固執したのはそのためではないのか。

 これは私の持論と完全に一致している。「成功体験」の形骸化や硬直化だけが進んで、自社がかつて獲得していたはずの「User Experience」へのアプローチを忘れたまま、電子的スノビズムに陥ってしまったのが近年のSONY社だったと私は思う。CLIEの興亡は、近年のSONY製品の多くで見られた問題の一例に過ぎない。

 でも、元来、SONYファンである私は応援する。ガンバレ、SONY!

 ただし、今と同じ経営陣で同社の再建が可能なのかどうかは不明。たとえばApple社のJobsは、世界的に不振なパソコン分野よりも音楽プレイヤー&音楽配信分野に比重を置き換えるほどの大転換を決断したことで、iMacブームが終わった後の停滞しつつあった同社を再建した。こんな風に、「User Experience」のためならば、自らの成功体験すらも否定できるほどの勇気がなければ、今の時代は乗り切れないことを、彼らはどこまで自覚しているのだろうか?

 再び応援する。ガンバレ、SONY!

2005-03-06 | Project Palm 直接リンク

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