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2004/11/01

たった一つの魅力的な製品!

 正直、この手のニュースを聞くたびに、震えが止まらない。その歓びに、というよりも、日本と米国の通信端末事情の違いは、絶望的なほど大きいからだ。ま、それはともかく、Treo 650の発売を記念するかのように、The Wall Street Journalに、Treoシリーズに関する非常に詳細な記事がアップされた。

■[WSJ] “たった一つの魅力的な製品”で息を吹き返したpalmOne(ITmedia)

2003年6月発売の“スマートフォン”「Treo 600」は、持ち歩く機器を軽めにしたいと考える専門職の間で、着実に人気を上げている。AT&T Wireless ServicesやSprintなど、米国の携帯電話会社を通じたTreoの販売台数は、100万台を突破した。そしてpalmOneは今、デジカメとQWERTY配列のフルキーボード、MP3プレーヤーを装備したTreoを、企業戦略とラインアップ拡大の中核に据えつつある。

 まず最初に、まだまだTreoシリーズの販売台数が100万台であることに驚く。台数だけならまだまだ同じ会社が扱っているPDA端末にはるかに及ばないはずだ。

スマートフォンの販売台数は、調査会社IDCによると昨年の940万台から今年は1760万台へと倍近くに伸び、初めて従来型PDAを上回る見通し。Treoはニッチ市場のスモールプレーヤーだ。新興スマートフォン市場で、palmOneが占めるシェアはわずか3.5%ほど(IDC調べ)。

 市場シェアでも停滞の続くPDA市場における34%強と、未来あふれる日の出の勢いのスマートフォン市場における3.5%とでは、その意味は違いすぎる。収益幅の何倍もの意味がそこにはあるはずだ。

 そんなTreoの魅力について、IDCアナリストの一人は以下のように語っている。

Treoは携帯電話とPDAの融合度合いが高いため、ライバル製品に勝っている。携帯電話端末メーカーの製品だと、まだ見た目と感じが携帯電話に近く、逆にBlackBerryの場合はPDAに近いルックスだが、「Treoは、かなり独自の世界を築いている」

 とは言え、これだけの魅力を持っていても、所詮はまだ3.5%であるというのも事実だ。それでも、このマシンの歴史を考えると、十分すぎるほどに凄いことだ。なぜなら!

Handspringは2002年1月、この製品を正式発売したが、2003年半ばまでに、18万台しか売れなかった。資金が底を突いたHandspringは、palmOneへの身売りを余儀なくされた。

 そして、身売り相手のpalmOne社はもっと悲惨な状況にあった…

米携帯電話会社のAT&T Wirelessは、以前、「Tungsten W」という電子メール送受信可能なPalm端末を取り扱っていた。だが、AT&Tのアビ・イングル氏によれば、「十分わくわくできるほどではなかった」ため、同社はTungstenのプロモーションにはさほど力を入れなかった。

 そして昨年秋、二つの会社が合体することで、この「たった一つの魅力的な製品」は、ようやく異分野市場の中でのスタートラインに立ったばかりだ。PDAの分野でMicrosoft社を相手に、あれだけ活躍してきたPalmOS陣営ですら、携帯電話の分野での戦いはようやく本格的に始まったばかりとも言える。

 それにしても、この「たった一つの魅力的な製品」、日本で使いたいな〜!

2004-11-01 | Project Palm 直接リンク

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